焦げた瓦礫の隙間から、朝の光がそっと差し込んだ。
空を見上げた幼い瞳に、未来への光が宿る——あの日から80年。
あの日、多くの子どもたちが犠牲になりました。
幼かった父や母たちは、大切なものを失いながらも、
それでも生き抜き、小さな「手」で未来を築こうとしました。
「100年経っても平和でいてね」
この世界は、子どものころに育まれた平和を愛する心で築かれていきます。
だからこそ、今を生きる子どもたちに伝えたい。
絵葉書に込められた願いを、心で感じてほしい。
かつて、子どもだった父たちが、悲しみをこえて受け継いだこの町。
その風景を映す手彩色絵葉書には、ただの記録ではなく、
当時の人々の願いが込められています。
80年前の願いは、色あせることなく、この絵葉書の中で息づいています。
幼かった父たちの心に灯った希望は、今を生きる子どもたちへとつながっていくのです。
——長崎の街角には、笑い声があふれ、未来への夢が空へと舞い上がった。
——被爆前の暮らしと、そこに息づいていた日常。
——流れ落ちた涙は、小さな希望となり、やがて未来を照らす光になった。
80年前、幼かった父たちが願った平和の未来の中に、
今、私たちは生きている。
そして、これからの長崎をつくるのは、こどもたちです。
国によって教科書が異なり、教育が違っても、平和を願う心は同じだと思います。「手」を取り合い、未来に向かって平和の輪が広がることを願います。
子どもたちが笑えば、もっともっと幸せな世界になると信じます。
手彩色絵葉書を通して、長崎の過去を知り、未来を考えるひとときを。
文部科学省・長崎市・日本ユネスコ国内委員会、フランス（アンスティチュ・フランセ（フランス政府の公式文化機関））、ドイツ連邦共和国総領事館、長崎大学、英国総領事館の後援のもと、
この絵葉書に宿る願いが、静かに降り積もり、
いつか平和の光となって、この世界をそっと包みますように。
