東京・馬喰町のアートギャラリーKKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)では、2025年10月8日(水)から10月25日(土)まで、サトウヒトミ写真展「madeleine -マドレーヌ」を開催します。
海外のストリートスナップを中心に作品を創り続けている写真家のサトウヒトミ氏。KKAGでは初の写真展となる今回は、マルセル・プルーストの小説からインスパイアされた「無意思の記憶の断片」をテーマに撮影したモノクロ作品17点を展示します。
会期中には中藤毅彦氏とのトークイベントも行いますので、ぜひご高覧ください。
* 入場無料
** 最終日10月25日(土)は18時閉館
【トークイベント】
10月11日(土) 17時〜18時 中藤毅彦氏xサトウヒトミ (入場無料)
https://fb.me/e/6rzsRpi6V
--------------------------
どこかで耳にした音、どこかで目にした光、どこかで漂っていた香り、
そこから、すっかり忘れていた光景が、鮮明に思い出されることがある。
逆に、無意識に撮った一枚の写真が、思いがけず過去と繋がっていたりする。
いずれにしても、記憶と写真の関係は密接だ。
マルセル・プルースト『失われた時を求めて』の
「紅茶に浸したマドレーヌを口にした瞬間、幼少期の情景が一気に立ち上がった」
という有名な一節は、次々とその頃の記憶が甦ってくるという
記憶の連鎖について、端的に示された、写真的な感覚だと感じた。
この小説を読んだことがきっかけとなり、
改めて、記憶の不思議さを考え、小説の中で感じたような
無意思の記憶というものを形にしたいと思った。
「いつ」「どこで」という情報を排し、個人的な記憶の断片の羅列を試みた。
全体を通した物語性は無いものの、
それぞれの写真に潜む衝動や、思いがけず、いつかの自分へとタイムスリップする感覚を
味わっていただければと思う。
サトウヒトミ
--------------------------
【作家プロフィール】
サトウヒトミ | Hitomi Sato
お茶の水女子大学舞踊教育学科卒業後、日本航空国際線 客室乗務員として勤務。
東京ビジュアルアーツで写真を学び、海外のストリートスナップを撮り続けてきた。
コロナ禍をきっかけに、レイヤーを用い異なる時間と場所が接続する「時空を超えたストリートスナップ」の制作を始める。
2018年、ZOOMS JAPAN パブリック賞受賞。主な個展に「Layered NY」(2017年、ソニーイメージングギャラリー)、「Lady,Lady,Lady」(2019年、ソニーイメージン グギャラリー 、ライカストア横浜、福岡) 、「mosaic of feelings」(2019年、ライカカフェプラハ)、「over the window」(2023年、キャノンギャラリー銀座、大阪)、「mirage」(2024年、Jam Photo Gallery、Huele Museum表参道ヒルズ店)など。
作品集に『イグアナと家族とひだまりと』(日本カメラ社) 『over the window』(PURPLE) がある。
You may also like the following events from KKAG : Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery: