2025年哲学カフェ 年間テーマ:
「私たちは日本人としてどう生きるべきか?」
現代世界において、
日本を取り巻く状況は
かつてないほど複雑で不安定です。
西洋社会ではポピュリズムが台頭し、
その背後には「西洋の自死」とも言える
深刻な自己懐疑が見え隠れします。
一方、中国やロシアといった大国、
そしてグローバルサウスと呼ばれる発展途上国は、
それぞれ異なる価値観と
現実的なパワーバランスを模索しています。
このような中で、
日本はどのような立ち位置を取るべきか。
そして、私たちは日本人として
どのように生きるべきか
――この問いを、2025年の哲学カフェの
年間テーマとします。
この問いに答えるためには、
日本の文化的背景や哲学史に根ざした
私たちの特性を深く見つめ直す必要があります。
同時に、西洋哲学史や他文化との比較を通じて、
日本的な特性を浮かび上がらせ、
それを行動の根拠とする試みを行います。
第81回テーマ:
「技術のナショナリティとは何か?:日本の技術とアイデンティティを考える」
テーマ:技術のナショナリティ
私たちが日々使う工業製品や技術には、
その国の文化や歴史を反映した
「ナショナリティ」が宿っていることがあります。
日本の近代化は、
明治期に西洋技術を積極的に導入しつつ、
伝統的な職人技や独自の価値観と融合させることで、
特有の「日本らしさ」を生み出しました。
例えば、鉄道や造船業の発展は、
単なる技術革新にとどまらず、
国民の誇りや国家のアイデンティティを
強化する役割を果たしました。
しかし、現代のグローバル化やAI技術の進展により、
技術の「国籍」は曖昧になりつつあります。
トヨタのハイブリッド車やソニーのエレクトロニクスには、
今なお「日本らしさ」が感じられるのか?
環境問題や国際競争の中で、
技術とナショナリティの関係はどう変化しているのか?
本哲学カフェでは、こうした問いを参加者全員で掘り下げ、
技術が私たちのアイデンティティや社会に与える影響について
考えます。
議論のヒントとなる問い
・明治期の技術導入は、日本の「ナショナリティ」をどのように形成したのか?
・伝統と近代の融合は、「日本らしさ」をどのように定義したのか?
・グローバル化の中で、「日本製」の技術にナショナリティは存在するのか?
・AIや環境技術の進展は、ナショナリティの概念をどのように変えるのか?
・技術に「国籍」は必要か、それとも国境を越えるべきか?
参加のメリット
1.多様な視点との出会い: 異なる背景を持つ参加者との対話を通じて、視野が広がります。
2.深い思索の機会: 技術とナショナリティというユニークなテーマを、日常の視点からじっくり考えることができます。
3.リラックスした雰囲気: 堅苦しい議論ではなく、気軽で温かい対話の場を提供します。
4.新たな気づき: 自分の考えを言葉にすることで、思いがけない発見が生まれます。
事前準備(任意)
本哲学カフェでは、以下の書籍を参考に議論を進めます。
事前にお読みいただくと、
より深く対話をお楽しみいただけますが、
刊行から年数がたっている書籍なので、
読書は必須ではありません。
当日配布のハンドアウトで概要をご確認いただけます。
『日本近代技術の形成: 「伝統」と「近代」のダイナミクス』(中岡哲郎、朝日新聞社)
『講座・日本技術の社会史』(永原慶二ほか編、日本評論社)
最後に
技術は、私たちの生活を支えるだけでなく、
時にその国の文化やアイデンティティを映し出す
鏡でもあります。
明治期の鉄道から現代のAI技術まで、
日本の技術の軌跡をたどりながら、
「ナショナリティ」の意味を共に考えてみませんか?
皆様の参加が、この哲学カフェを特別な場にします。心よりお待ちしております。
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哲学カフェとは、
哲学的なテーマについて気軽に話し合う場です。
専門知識や経験は必要ありません。
自分の思いや感じたことを
素直に表現するだけで大丈夫です。
ファシリテーターが進行をサポートしますので、
初めての方も安心して参加できます。
発言をしなくても
聞いているだけでも大丈夫です。
途中退席も可能です。
どうぞお気軽にご参加下さい。
日時:5月18日(日)13:00~16:00
参加費:
会場参加 会員¥1,000、非会員¥1,500
オンライン参加 会員¥500、非会員¥800
場所:FACTORY ART MUSEUM TOYAMA
(〒939-0131 富山県高岡市福岡町荒屋敷525-9
お申込み方法:
https://my-site-100171-103861.square.site/
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